清水焼京焼の大野瑞昭作金襴手急須を紹介します。

ご存じない方のために申し上げますと金襴手（きんらんで）とは上絵付けした陶磁器に，金泥(きんでい)や金箔(きんぱく)の文様を施したもののことです。

もともとは西陣織などの織物の種類　金襴からきた名称です。中国では□金(そうきん)といい，明代嘉靖期の作が最もすぐれていると言われています。
赤地に金色のこってりした絵付けが特徴の赤地金襴手ですが、器肌にはその他にも緑地や紫地など、金の他にも銀やプラチナなどが使われます。外国の方に好まれる典型的な意匠でもあります。

この日本では江戸時代に伝わった金襴手ですが、作るのに大変な手間がかかります。この赤地金襴手ですと一度本焼きした器に上絵で赤を焼き付けます。その後、もう一度、金箔を貼って掻き落としたり、または剥落を避けるため金泥で描くなどして焼成され完成です。
この独特の横広がりの急須ですが、蓋のつまみ、注ぎ口、持ち手などポイントとなる箇所は山水の絵付けになっています。
蓋の合い口は茶葉が捨てやすいように非常に広くなっており、茶漉し穴がついていますので間違っても１００均の金網など付けないようにお願いします。
蓋の裏側にもなんと山水の絵付けがあり凝っています。。そもそもこんな手間のいる器作ること自体凝っていますが。
擦れると金が剥げるおそれがありますのでこれだけで扱ってください。