清水焼の窯元森里陶楽さんの三島の手付き鉢です。陶楽さんの意匠は主に細かい三島模様が多く、清水焼で多数作られている三島作品のなかでも群を抜く細かさです。

朝鮮半島から伝わった粉青沙器のひとつ、三島は赤い土に小さなハンコを押して凹みに白泥を埋める技法です。経験者は分かると思いますが、このハンコを押していく作業がとても面倒くさいのです。しかし化粧をかけて拭き取った後、どんな風に見えるか想像するのは印を押す苦労を忘れさせてくれます。

京三島と呼ばれる陶楽窯の三島は京都独特のきめの細かい土を使った女性的で華奢な雰囲気が特徴です。高台は一際薄くしてあり、この器はきゃしゃで大切に扱うべきと教えてくれます。

用途はお豆腐や枝豆などのおつまみ系から、茶道の菓子器まで幅広くお使い下さい。


陶歴　森里陶楽

初代陶楽から仁清茶陶の技術を継承した感性を元に、朝鮮三島を京都で生れ育って備わった物作りの想が、独自の三島手の表現のしかたで、京焼・清水焼の伝統工芸士の称号を受ける。また労働大臣より卓越技能者（現代の名工）の表彰を受け、翌年には勲六等瑞宝章叙勲を受ける。