色彩も鮮やかな交趾の笠牛香合は日本に何個も伝わる名品となっています。清水焼の茶道具の窯元宮本翠浩作による本作は特に大ぶりで見栄えがします。

黄色地に緑の笠の色彩が冴え、特に鮮やかな香合となっています。種類はこのほかに、笠が黄で牛が緑の逆バージョンもございます。

交趾の香合では大亀のものが特に有名ですが、水墨画などに見られる笠牛香合も日本人発のデザインでしょうか？

交趾香合の意匠は主に植物や動物中心となっています。

名品が伝わったとされる交趾焼ですが当時は原始的な焼成温度の低い軟陶の一種です。
しかし現在のこういった器は磁器を素地に使い、高温で焼き締めていますので写しといっても本歌よりは遙かに鮮やかです。

陶歴
宮本清浩（翠浩）　
　　　　　　昭和５年８月１５日生

所属団体　清水焼近代化協同組合

明治１７年、初代與山、九谷焼窯元の四男として生まれ大正年間、上京五条坂にて置物を主として開窯する。父・與山より技法を習得、没後泉涌寺地区に窯を移す。後、昭和４７年現在地に移し、花器を主に茶陶等を制作、伝統の中にも新しさを求め、創作に研鑽を重ねております。